医療法人 いぶきクリニック
院長   山本 則之

 透析医療は治療の終わりの無い部門です( 腎移植の場合を除いて )。患者さんとは
5年10年、長期のケースでは30年以上の付き合いとなります。その長い治療期間に
は様々な合併症が発生し対応が必要ですが、患者さんの性格や家族背景なども考慮に入
れつつ治療法を選択し説明し、同意を得ていかねばなりません。このことは担当医にと
っては結構重ーい仕事です。
 さて透析医療の歴史として黎明期には関東では内科系が関西では泌尿器科医が大きな
役割を果たしてきたようです。透析医は患者の全てを把握していなければなりません。
時には心の問題の対応に頭を抱えることもあります。高齢の症例が増加し、糖尿病、虚
血性心疾患、ASO等の合併症には内科医と外科系医師の緊密な連携が重要になります。
Vascular accessのトラブルには外科医の迅速な対応が必要ですし、血糖のコントロー
ル、狭心症に関しては内科医の適切な判断が要求されます。さらに今後は精神科医のサ
ポートが必要なケースも増加するものと考えております。
 20年前には日本国民の1000人に一人といわれた腎不全患者が現在では500人
に一人と倍増し、医療費35兆円のうち透析医療に1.5兆円以上かかっていると思われ
ます。0.2%の透析患者さんが3%以上の医療費を遣っていることになります。国家的
な医療費抑制政策の下、種々の縛りがありなかなか自由な治療活動が出来ないこともし
ばしば経験します。また盆も正月も無い勤務体制の中で仕事をしなければならない、さ
らに患者さんと一生付き合うというある意味での重さもしばしば感じます。これらのこ
とが理由なのか若手の医師がなかなか透析部門に入ってきてくれないようです。
しかしながら透析導入期に心不全でアップアップしてた方が社会復帰し、バリバリ仕事
をこなしてくれていると嬉しいものですし、時には子供さんが結婚した、見れないと諦
めてた孫を抱けた等の喜びの声を聞くこともできます。
 “いぶきクリニックへは安心して紹介できる”といっていただけるよう充実した診療
内容にしていきたいと考えております。

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