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理事長挨拶

理事長

 当院はこの地に腎臓および泌尿器科疾患専門病院として平成13年に開院しました。慢性腎不全患者さんを対象に透析療法を主としていますが、私にとりましては40年来行ってきた仕事であります。
この間多数の患者さんと触れ合って参りましたが、今でも多くの患者さんとの思い出が蘇ってきます。

 今でこそ進歩した医療や社会福祉のために良質な透析医療が提供できますが、その黎明期には医師や患者さんともに大変な苦労を強いられ、患者さんのQOLは現在とは比べものにならない程の悪さで、このために悲惨な亡くなり方をした患者さんも大勢おられました。

 常に思っていることは「良質な透析療法とはどんな医療」か、ということですが未だに答えが解りません。

 慢性腎不全に対する腎代替療法としては、透析療法と腎移植(生体腎と献腎)がありますがご存知の通り日本での腎移植は他国と比べても極めて少ない状況で、これは国民性や宗教観に原因するのかも知れません。

 慢性腎不全をもたらす疾患は慢性糸球体腎炎や糖尿病性腎症を原因とする内科的疾患と泌尿器科的疾患に大別できますが、最近は高齢で糖尿病を原因とする糖尿病性腎症が圧倒的です。

 糖尿病とは血管の病気であり、腎臓のみならず眼、下肢、心臓、血管、神経などあらゆる臓器が障害され、QOLが著しく低下する忌まわしい病気の一つであります。慢性腎不全に至らないためには早期診断を得て厳重な管理をするべきでしょう。さらに、最近では高血圧の放置による腎硬化症を原因とする慢性腎不全も増加しており、食塩制限といった食事管理や薬物療法などが腎臓を助けることとなります。

 透析療法を行うに当たっては精神的な介助とあらゆる合併症の早期発見と治療ということになります。特に、導入期には最低、週3回、4時間治療といった必須の透析治療、水分や食事制限などといった環境の変化に慣れず、「透析をしなければならなくなった自分に怒りをぶっつけたり」「家族や病院スタッフに八つ当たりをしたり」etc.兎に角、精神的に不安定状態にあり、これを如何に納得してもらうかがそれ以後の透析療法の安定性を維持する上に大切となってきます。さらに、ある程度以上の長期透析になりますと、免疫低下や血管障害などによって癌や心筋梗塞を始めとした様々な合併症が起こり早期発見と治療が必要となってきます。

 様々な透析療法を受け入れがたいことばかり述べてきましたが、透析療法を生活の一部と受け入れて悠々と透析生活に順応した方々も多くおられ、考え方一つではないかと思っています。

 「良質な透析療法とはどんな医療」に対しては、「慢性腎不全にならないような予防医療」かも知れません。

 当クリニックは、慢性腎不全専門医、腎臓内科医、泌尿器科医など5名の常勤医に加え、循環器専門医、整形外科専門医、腹部内・外科医など多くの非常勤医の陣容で臨んでいます。
透析患者さんは日々状態が変わるのが常であって、昨日のAさんは本日のAさんとは同じ人ではないという感覚で接し、そのため、シャント穿刺に当たって当院では必ず医師が患者さんとなにげない会話を交わしながら行いシャント穿刺を行い、シャントの状態や身体的かつ精神的異常を早く見抜くように心がけています。これは、「病院に行ったものの医者と全く話しをしなかった」という多くの透析施設ではありがちな間違いを無くす事にも繋がっています。

 当クリニックは、有床クリニック(18床)クリニックであり、当直医の常駐など救急時の体制をとっています。透析患者さんによく見られる発熱や、腹痛などに対する診断や治療を含めた初期対応が可能で、更には、シャント作成やシャント不全に対する即自的対応、合併症である二次性副甲状腺機能亢進症に対する副甲状腺摘出術、糖尿病性壊疽に対する整形外科的対応など無床クリニックでは不可能な積極的な治療が行われています。
一方、リハビリ部門では最近多くみられる脳疾患による四肢麻痺や骨粗鬆症による骨折に対するリハビリ、さらには、慢性腎不全患者さんの予後を悪くする運動失調などに対しては透析中を含めた運動療法も積極的に行われ患者さんの社会復帰への手助けを行っています。
 慢性腎不全患者さんで多く発生する癌や心筋梗塞などは定期検査で早期発見し、クリニックでは対応しかねる患者さんに対しては、松下記念病院、国立循環器病センター、畷生会脳神経外科病院、関西医大病院など基幹病院へ積極的に対診し基幹病院へ紹介するまでの期間は責任を持って対応する体制でもあります。
 このような体制で慢性腎不全のクリニックとしては何処にも負けない施設であると自負し毎日を励んでいます。

平成27年1月
医療法人 いぶきクリニック理事長 矢嶋息吹