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透析時血管痛を和らげるために ~耳介治療による疼痛緩和~

透析患者さんは様々な原因による体の痛みを抱えていることが多く、なかでも、穿刺時や透析中に生じる透析時血管痛は週3回の透析治療をつらいものにさせてしまうために厄介な問題です。

透析時血管痛への対処方法として針先の調整、体位の変化、局所の温熱や冷却、除水量や血流量の調整などを行いますが、痛みの軽減効果が十分ではないこともあります。そこで当院では既存の対処方法に加えて東洋医学の知見を利用した耳介治療を導入したところ、良好な成績を得ましたので、以下の通り紹介いたします。

 

耳介治療とは?

耳介治療の耳介とは、一般に耳とよんでいる部分です。東洋医学では、耳介を単なる体の一部ではなく体の縮図と考え(下図)、全身の器官、皮膚などは、ツボ(経穴)をつないだ道(経絡)を通じて耳介と密接に関係していると考えます。

耳介治療とは、耳介に存在するツボ(経穴)を刺激することで身体の不調を改善する治療法です。耳介のツボを利用する鍼治療は耳鍼とも呼ばれます。

 

使用する耳介のツボ(経穴)の位置はどこか?

耳介には多くのツボがありますが、透析時血管痛に使用するツボは、下図に示す3ヵ所になります。しかし、ツボの位置には決まりがあるものの

耳の形や大きさといった個人差があり、さらには、その時の体調によっても微妙に変化することがあります。そのため、専用の道具を使用して対応するツボを探す必要があります。

 

耳介治療の方法は?

上記の方法で使用するツボの位置を同定したら、耳介治療用の鍼(下図)を貼付します。鍼といっても、当院で使用している耳介治療の鍼は皮膚に刺さらないものなので痛みも無く、感染症や出血リスクを有する透析患者さんにも安心して使用できます。治療時間は両耳で1~2分程度で済むため、透析業務の支障になることもありません。

 

 耳介治療の効果は?

当院では、これまで25名以上の透析時血管痛に苦しんでいる患者さんに対して耳介治療を行い、程度の差はありますが全員に疼痛軽減の効果が認められ、特に副作用もありませんでした。

透析時血管痛を訴える患者さん10名でのデータになりますが、耳介治療の前後比較(下図)を行いました。

 

対象患者さん10名は当初、穿刺直後あるいは透析開始2~3時間後から透析時血管痛を訴えていたのですが、耳介治療を行うことにより、著明に軽減しました。また、耳介治療を行った患者さんの9割以上の方が、疼痛の増悪抑制のため、治療を継続しております。

上記の通り、透析時血管痛を軽減するための耳介治療は、比較的容易に短時間で実施できる治療法です。当院では、常勤の鍼灸師が患者さんに合った耳介治療の方法を提案させていただきますので、透析時血管痛だけでなく、疼痛でお悩みの患者さんは是非、ご相談ください。